東北大学病院/Tohoku University Hospital:血液・免疫科
血液・リウマチ・膠原病内科(血液・免疫科)は主に白血病、悪性リンパ腫、貧血といった血液の病気と免疫が関係するリウマチ・膠原病、更に痛風等の関節が痛くなる病気など全身性の疾患を診ています。これら白血病などの血液の悪性疾患や膠原病は、難治であり、以前は治療法も限られていましたが、最近、新薬や造血幹細胞移植などの治療法の開発により治療の選択肢が広がり、治癒が望める疾患となってまいりました。当科においても積極的に最新の治療薬、治療法を取り入れ、血液専門医、リウマチ専門医がチームを組んで、わが国でトップレベルの医療を提供しています。2006年秋には、無菌室、準無菌室合わせて17床を有するクリーンな新病棟が完成し、設備面もさらに充実いたしました。さらに、それぞれの患者さんにと� ��て最善の治療を提供するために、院内各科、更に本院外の医療機関と充分に連携して日々の診療に当たっています。診療方針については患者さんと短期的、長期的視点から共に考え、十分に話し合って決定することを心がけております。当科に関連する病気は放置しておくと重症になる場合が少なくなく、早期よりの適切な対応が病気を治すために極めて重要ですので、原因不明の発熱やリンパ節の腫れが続いたり、貧血、関節痛、出血しやすいなどの症状のある方は、かかりつけの先生とご相談の上、早めに当科を受診下さい。
A. 血液疾患:
胃の痛みは胆嚢を食べる
1. 白血病(急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群など)、悪性リンパ腫、骨髄腫、各種の貧血(再生不良性貧血、溶血性貧血、先天性貧血等)、特発性血小板減少症、血友病他の出血しやすい病気につき最新の治療(化学療法やモノクロナル抗体を用いた治療、移植も含む)を行っています。 重症、難病である白血病、悪性リンパ腫については、現在では、完全治癒に向けての治療を目指しています。 この一環として白血病ではJALSG, 悪性リンパ腫はJCOGというわが国を代表する世界的な治療研究グループに参加し、新しい、かつより安全な治療を心懸けています。
2. 造血幹細胞移植 当科では各種の白血病、再生不良性貧血、悪性リンパ腫、骨髄腫らの血液疾患について造血幹細胞移植を年間20-30例実施しています。 自分自身の、あるいは家族の方から、更には骨髄バンクや臍帯血バンクより適切な幹細胞を求め、提供を受けています。 高齢者、臓器障害を持つ患者さんのためにはミニ移植も実施し、これは血液疾患以外の癌等でも実施して良い成績を得ています。 移植や化学療法では感染症対策が重要ですが本院の賀来教授ら感染症制御チームの全面的なサポートの下で管理に当たっております。 これは全国でもトップとされる体制と考えています。
B. リウマチ・膠原病(免疫疾患)、関節疾患
脊柱側弯症外科治療
関節の痛みがあったり、発熱が続く場合は関節リウマチ或いは膠原病(全身性エリテマトーデス、混合性結合織病、強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、ベーチェット病、大動脈炎症候群などの血管炎症候群など)、痛風等の内科的疾患が原因である事が少なくありません。 膠原病では厚生省の指定する特定疾患(医療費負担が軽減される)となる病気が多く、患者さんの病気の状態が複雑ですので、全身状態をよく診た上での総合的な判断に基づく診療が大事です。 これらの病気は難病(特定疾患)とされている場合も多いのですが、早期に発見し、適切な対応を行なえば病気が重症となる事が防げますし、普通の生活が行なえる事が期待できます。 難治性の場合には種々のパルス療法や生物学的製剤等の難しい治療法も細心の注意を持って行い、場合により造血幹細胞移植の実施等も検討しています。
当科はわが国を代表するリウマチ膠原病診療施設の一つであり、日本リウマチ学会教育認定施設、痛風協力医療機関です。また、他の各診療科も診療能力の優れた専門医が揃っておりますので、協力を得て、各人が最良の診療が受けられるように努力しています。また、当科では厚生省自己免疫疾患研究班が発足して以来常に参加し、難病克服の努力を続けていますが、特に全身性エリテマ-トーデスの治療の開発と関節リウマチの原因の研究について世界的に注目されています。
C. 発熱疾患―ウイルス感染症
りんご病(伝染性紅斑)を起こすヒトパルボウイルスB1(B19)は貧血、関節炎ほかのいろいろな病気の原因となることがわかってきました。 当科はB19感染症について本邦で最も実績があり、またサイトメガロウィルスあるいはEBウィルス感染症など原因不明の発熱の解決に努力しています。 また、本院の感染症対策チームと共同して常に、より安全で有効な感染症対策を実施しています。
胃バンド減量
1. 造血幹細胞移植
白血病、悪性リンパ腫といった血液の悪性疾患、再生不良性貧血などの造血不全症に対し造血幹細胞移植を積極的に行っています。造血幹細胞移植には、大きく分けて自分の造血幹細胞を用いる自家造血幹細胞移植と組織の型の一致した自分以外の人の造血幹細胞を用いる同種造血幹細胞移植の二つがありますが、病気の種類や状況にあわせた移植を選択し行っています。当院は日本骨髄バンク、日本さい帯血バンク両方の認定を受けた移植施設であり、血縁、非血縁骨髄、さい帯血、いずれの同種造血幹細胞移植も実施可能な施設です。現在、無菌室、準無菌室あわせて17床の特殊病室を使い、これらの造血幹細胞移植を日常的に行っています。
2. 生物学的製剤、分子標的薬を用いた血液・自己免疫疾患の治療
血液・自己免疫疾患で病気の原因となっている細胞を、特異的に押さえる新薬が次々と登場しています。これらの薬は、抗体とよばれる蛋白質を使った生物学的製剤や、悪性細胞だけが持っている分子を標的として攻撃する分子標的薬といった薬です。当科では積極的にこれらの新薬を取り入れて、血液・自己免疫疾患に対する、より効果的な治療を行っています。
3. 臨床治療研究(治験と自主臨床試験)
当科では、リウマチ、全身性エリテマトーデス、悪性リンパ腫など、さまざまな疾患に対する新しい薬の治験を行っています。治験とは、新しく開発された薬を、通常の治療薬として使う前の臨床試験のことで、新薬が市販され、広く使われるために必要な大事なステップです。これらの治験薬が使える期間は限られている場合が多いので、主治医にお問い合わせください。また、研究者が主体となり、新たな治療法を開発するための臨床試験にも積極的に取り組んでいます。白血病に関しては日本成人白血病研究グループ(JALSG)、悪性リンパ腫、骨髄腫に関しては日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)、自己免疫疾患においても厚生省の研究班に参加し、多数の臨床試験を実施しています。
4. 血液・自己免疫疾患の特殊検査
大動脈炎症候群などの血管病変を評価する位相差ドップラーエコー検査(超音波による頚部血管の検査)やウイルス、白血病などの定量的遺伝子検査など専門的検査を行っています。
血液・免疫科は主に貧血、白血病や悪性リンパ腫といった血液の病気と、リウマチ・膠原病などの全身性の疾患を診ています。このような疾患は放置しておくと重症になる可能性が高い場合が少なくなく、早期の適切な対応が極めて重要です。原因不明の発熱や全身の関節痛、リンパ節の腫れ、貧血あるいは出血しやすいなどの症状のある方は、一度医療機関での診察を受けられることをお勧め致します。また、これらの病気は専門性の高い治療が必要となりますが、当科ではトップレベルの医療を受けられるように万全な体制で診療にあたり、かつ、患者さんと共に考えながら診療を進める事を心がけています。なお、当科の病気の最初の症状は、他のさまざまな病気でみられる症状でもありますので、お近くの先生にまず診ていただい� ��から、当科を受診していただくようお願い申し上げます。
お願い
当科では、病気の原因を突き止めるたり、未来の新しい治療法の開発するために、さまざまな医学研究を行っています。これらの医学研究にとって、検査後に不要となった血液はとても貴重な検体です。当院の倫理委員会にて承認された研究のためにのみ用いることになっておりますので、その御提供につき宜しくご理解いただけると幸いです。
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